本記事では風圧力の算定方法について書いていきます。
風圧力は建物の形状や開口の有無によって算定方法が異なります。
また、検討する部材によっても異なるので注意が必要です。
本記事では架構用と外装材用の風圧力について異なる点に着目して書いていきます。
架構用の風圧力の算定式
基準速度Vo、地表面粗度区分は地域によって定められており、建築基準法や市の条例で決まっています。
風力係数の外圧係数、内圧係数は建築基準法に定められており、建物の形状や開口の有無によって決まっています。
また、正圧と負圧の場合で検討する必要があります。正圧は外から押す方向の力であり、負圧は内から押す方向の力です。
作用する力の方向は部材の断面算定を行う上で重要なので注意が必要です。
例えば、胴縁を設計する際作用する力によって許容応力度の低減を考える必要があるかないかが異なります。
詳しくは、胴縁の設計および許容応力度の算定を参考して下さい。
風力係数の算定例
外装材用の風圧力の算定式
架構用と外装材用で異なる部分を説明します。
最初に速度圧の算定式です。
架構用ではEを用いて算定していましたが、外装材用ではErを用いて算定を行います。
EとErの関係は風圧力の算定(架構用)で確認して下さい。簡単に言うとGf(ガスト影響係数)が含まれていないということです。
また、外装材用の風圧力では再現期間による係数を考える必要があります。100年の場合はY=1.07となっています。
次に風力係数の算定式です。
ここで、ガスト影響係数が含まれています。
また、CpeとCpiの値は架構用の場合と異なり、一般部・周辺部・隅角部で違う値となっています。
隅角部と周辺部の範囲は例で示しているように0.1aの範囲です。aは短辺の2倍とHの小さいほうです。
まとめ
本記事では風圧力の算定について説明しました。
風圧力の算定には建物形状や開口の有無によって変わるので確認する必要があります。
風圧力には架構用と外装材用があるので注意が必要です。
外装材用の値のほうが大きくなります。
部材の設計をする際にどちらを用いて設計すればよいか考える必要があります。