BCR、BCP、STKRの設計フロー(冷間成形角型鋼管)

本記事ではBCR、BCP、STKR(冷間成形角型鋼管)の設計フローについて説明します。

鉄骨造の柱でBCR、BCP、STKRを使用する際は注意するポイントがいくつあります。

設計法

①BCR、BCP、STKRそれぞれの材質に応じた設計

②柱梁接合部形式による柱としての変形性能を考慮した設計

具体的には外ダイアフラム・内ダイアフラムなどによって異なります。

③接合部パネルを1つの部材として評価した設計

④崩壊メカニズムの判別を行う設計

設計ルート

ルート1-1、ルート1-2:地震力による柱の応力を割増す。

ルート2:柱の耐力を梁の耐力よりも十分大きなものとする。

ルート3:全体崩壊形か部分崩壊形かを判定し、部分崩壊形の場合には十分な骨組の耐力を確保するものとする。


上記の表は鋼構造設計便覧に記載されております。

ルート1では上記の表より柱応力を割増して許容応力度設計を行います。

内ダイアフラムの場合は他の形式に比べて小さい割増係数となります。

ルート2では柱梁耐力比を1.5以上となることを確認します。(最下層の柱脚及び最上層の柱頭は除きます)

柱梁耐力比=ΣMc(柱耐力)/ΣMb(梁耐力)で求まります。柱耐力が梁耐力の1.5倍以上必要ということになります。

ルート3では層全体で柱と梁の耐力比を1.0以上となることを確認し、 全体崩壊形か部分崩壊形か を判定します。

層の耐力比=ΣMc(層の柱耐力の合計)/ΣMb(層の梁耐力の合計)で求まります。1.0以上であると全体崩壊形と判定できます。

部分崩壊形となる場合は上記の表より柱耐力低減を行います。BCRはBCPより柱耐力低減率が大きく、内ダイアフラムはその他の形式より柱耐力低減率が小さいです。

STKRの場合

ここで注意が必要なことはSTKRを使用する場合はルート3であっても柱梁耐力比1.5以上を満足させる必要があります。

つまり、ルート3で設計することは出来ずルート2で設計します。必然的に崩壊形は全体崩壊形のみとなります。

まとめ

本記事では冷間成形角型鋼管の設計方法について記載しました。

冷間成形角型鋼管を使用する際は柱応力の割増しや柱耐力低減を行う必要があります。

また、柱梁耐力比の確認、崩壊形の確認を行う必要があります。

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