スラブの荷重伝達方法ちゃんと理解してる?~三辺固定一辺自由の場合の設計~

本記事ではスラブの設計(三辺固定一辺自由)の設計方法について書いていきます。

四辺固定の場合はスラブの設計(RC在来スラブの算定)の記事に書いておりますのでそちらをご確認してください。

本記事で説明する三辺固定一辺自由となる場合ついて例を示します。

開口が一辺にある場合、その辺が自由端となり、三辺固定一辺自由のスラブとなります。

S造の場合、外周部でスラブが連続しない箇所については自由辺として考えるのが一般的です。
これはRCの梁と違いS梁のねじれ耐力によって負担することが難しいからです。
スラブが連続する箇所は連梁と考え、固定端とみなして計算を行います。

また、壁構造の場合スラブは壁によって支持されます。

壁厚がスラブ厚に比べて、小さいと固定として計算すると危険側の検討になってしまうことが懸念されます。

そのため、その辺は自由端として安全側の検討を行う場合があります。

設計用応力の算定

設計用応力の算定方法について説明します。

三辺固定一辺自由の場合は四辺固定の場合と異なり、グラフを用いて算出する必要があります。

上記のグラフは鋼構造設計便覧に記載されたものです。

グラフの読み方で注意が必要なことは、自由辺が短辺か長辺かによってグラフの読む値が変わることです。

グラフの読み違いはあるものだと認識した上で、注意しましょう。

実際の実務ではソフトを使って算出する場合が多いと思うので、グラフを読み取ることは少ないと思いますが、どのように力が流れているのか、どの部分に応力が集中するのかなどは把握しておくことをお勧めします。

短辺と長辺・主筋と配力筋の関係を間違えないように注意しましょう。

私自身間違ってしまった場合があるので、どの方向の応力か、そのためにはどの方向に主筋が必要なのか整理することが大切です。

断面算定

設計用応力を算定すると、断面算定を行います。

M(曲げモーメント)に対して鉄筋量を算定します。

必要鉄筋量at=M/(ft・j)より求まります。

ftは鉄筋の許容応力度、jは7/8dで求まり、dは有効せいを示します。

詳しくは スラブの設計(RC在来スラブの算定) を参照してください。

露出柱脚のベースプレート(三辺固定)

露出柱脚のベースプレートを検討する際にもこの三辺固定の算出方法を使用します。

リブプレート及び柱のフランジ・ウェブの部分を固定とし算出します。

まとめ

本記事ではスラブの設計(三辺固定一辺自由)について説明しました。

スラブの設計のみでなく、露出柱脚のベースプレートの設計でも使用します。

三辺固定一辺自由の検討を行ううえで注意が必要な点は自由端が短辺か長辺かで異なることです。

また、グラフを読み取る際に間違いがないように注意しましょう。

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