マットスラブの設計

マットスラブとは何か知っていますか。

マットスラブとは基礎形式の一つです。

つなぎ梁やフーチングを設けず、厚さの大きいスラブ一体を基礎とする方式です。

マットスラブをすることで、型枠や配筋、コンクリート量を減らすことが出来るというメリットがあります。

特に、軸力が大きい高層マンションでは杭が大きくなったり、本数が多くなります。

そのため、フーチングが大きくなりマットスラブとするほうがコストを抑えられる場合が多いです。

本記事ではマットスラブの設計方法について示します。

ゾーンわけ

マットスラブにかかる応力は柱または杭のあるところないところで異なります。

これは柱・杭からの反力がマットスラブにかかり、応力が大きくなるからです。

そのため、柱列帯(柱のある列)・柱間帯(柱の間の列)でゾーンわけを行います。

断面算定

断面算定方法はスラブの場合と同じとなります。

しかし、設計用応力が異なりますので注意が必要です。

下記に長期の場合の設計用モーメントを示します。

g:固定荷重

p:積載荷重

L:支点間距離

・柱列帯

Mg1=L^2(g+p)/12

Mg2=L^2(g/20+p/13)

Mg3=L^2(g+p)/8

Mg4=L^2(g/26+p/13)

Mg5=L^2(g+p)/10

・柱間帯

Mf1=L^2(g+p)/36

Mf2=L^2(g/26+p/16)

Mf3=L^2(g+p)/24

Mf4=L^2(g/32+p/16)

Mf5=L^2(g+p)/30

上記の式は短辺スパンと長辺スパンの比が小さい場合に使用できる式となりますのでご注意下さい。

比が大きい場合は有限要素解析を行い、設計用モーメントを求める必要があります。

短期の場合は地震時に柱・杭に作用するモーメントとせん断力によるモーメントを柱列帯及び柱間帯に分配して長期モーメントに足します。

割合の参考としましては柱列帯:柱間帯=7:3となります。

まとめ

本記事ではマットスラブの設計方法を説明しました。

フーチングやつなぎ梁の断面が大きくなってしまう場合にマットスラブを採用することでコストメリットがあります。

設計方法は柱列帯および柱間帯にゾーンわけをして応力を算定します。

断面算定方法は一般的なスラブと同様ですので、スラブの設計について書いている記事を参考にして下さい。

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