耐風梁・水平梁って何?~耐風梁の役割及び設計方法について徹底解説!!!~

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本記事では耐風梁または水平梁について書いていきます。

耐風梁とは縦胴縁や外壁を受ける部材となります。

また、開口補強として配置する場合もあります。

よく耐風梁や水平梁と呼びます。

水平梁と呼ぶ理由について、説明したいと思います。

それはずばり、H形鋼を横に倒して使うからです!!!

なぜ、横向きにするかというと荷重の方向が関係してきます。

先ほど、外壁等を受ける部材と言いました。外壁にかかる荷重は外壁の自重または風荷重が考えられます。自重は↓向き・風は→向きであり風荷重が大きいと強軸で有利な横向きとしてH形鋼を使用するわけです。

役割が分かったことで次に設計方法を説明していきます。

設計用荷重について

設計用荷重は横胴縁の場合と同じ荷重となり、長期の荷重は胴縁の荷重も負担します。

具体的には耐風梁が負担する荷重は長期は外壁と胴縁と自重となります。短期は風圧力になります。

風圧力は架構用と外装材用がありますが、胴縁の設計でどちらを採用するかは設計者判断によることが多いです。
→荷重指針には外装材用の風荷重にて検討するように記載されています。外装材用での検討が良いと考えます。

また、短期の検討においては長期の鉛直荷重と短期の水平荷重の組合せで縁応力の検討を行う必要があります。

設計用応力の算定

設計用荷重が決まると次は設計用応力M,Q,N(モーメント、せん断力、軸力)を求めます。耐風梁の場合は軸力はかからないため、M,Qの算出を行います。

設計用応力を算出する際は力学の基礎より求めますが、ここで注意が必要なことは単純梁にかかる力の設定です。

縦胴縁からの荷重を耐風梁は基本的に受けます。その際は分布荷重として扱うことが一般的です。

しかし、外壁、開口の計画によっては間柱と耐風梁を組み合わせて使用します。

その際に間柱の荷重を受けるのか、どのように部材同士が取り付いているのか考えて力の流れ、負担する力を考える必要があります。

私自身も力の流れを把握し間違えた経験があります。

その部材に取り付いている部材だけでなく全体として力がどう流れているのか把握することが大切です。

断面算定

設計用応力が決まると次は断面算定です。

耐風梁は主にH形鋼を水平に使います。(水平荷重に対して強軸となるように使用します。)

これは風圧力のほうが一般的に大きい荷重となるからです。

また、耐風梁と胴縁、外壁との距離が長いと鉛直荷重によるねじれが生じてしますのでその検討もする必要が出てきますので注意が必要です。

ねじれの検討についてはまたほかの記事にて説明したいと思います。

まとめ

本記事では耐風梁の設計について書きました。

耐風梁の設計用荷重は外壁と胴縁、自重、風圧力です。

設計用応力を算定する際は外装材受材が負担する力の流れを全体的に把握して耐風梁が負担する力に不足が生じないように注意しましょう。

これらの荷重に対して断面算定を行います。

主にH形鋼の強軸を水平荷重に対して抵抗するように使用します。

外装材と耐風梁の距離については注意が必要です。距離が長いとねじれが大きくなることがあることを忘れないようにしましょう。

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