本記事では屋根が折板の場合の鉄骨小梁の設計についての注意点を書いていきます。
鉄骨小梁の設計の記事では、一般的な鉄骨小梁の設計について示しております。
実際に設計するときはそちらの記事を参考にして下さい。
屋根が折板の場合
鉄骨小梁の設計をする際にはたわみの制限があります。
鋼構造規準には1/300と示されており、黄色本には1/250と示されております。
1/300以内に納めることが多いと思いますが、屋根が折板の場合かつ屋根勾配がある際たわみの考え方が異なります。
まず、最初にたわみ制限が何のためにあるのか考えましょう。
たわみ制限
たわみ制限は使用上の支障がないように設けられております。
具体的には床の振動などによる不具合を防ぐためです。
床の振動は床・小梁の剛性が大きい、つまり硬いと揺れを小さく抑えることが可能です。
剛性は小梁の断面二次モーメントにより決まり、二次モーメントはたわみにも影響を及ぼします。
使用上の支障を防ぐため、小梁を単体として算定しスラブによる剛性割増率を考えずに安全率を確保する方法があります。
スラブによる剛性割増率については他の記事で示しますのでそちらをご確認してください。
話がそれましたが、屋根が折板かつ屋根勾配がある際は振動による支障はほとんどないといえると思います。
次に屋根勾配が逆にならない限り、降雨や積雪が屋根にたまることはないと考えられます。
そのため、鉄骨小梁のたわみは1/300を満足させる必要はないと考えることが出来ます。
黄色本に示されている1/250は法律で定められているルールなどで満足させるほうが良いと考えられます。
まとめ
本記事では屋根が折板かつ屋根勾配がある場合について鉄骨小梁の設計について説明しました。
この場合の設計でのポイントはたわみ制限になります。
1/250程度に納まるように設計すればよいでしょう。
基本的にはたわみで決まらずに応力で決まるように小梁の配置や断面を設計すると良いと思われます。