この記事では折版の構造計算・設計方法と重要性について紹介したいと思います。
重要性
まず、折版は屋根ふき材のため構造耐力上主要な部材ではありません。
それでも構造計算をしておくことが大切です。
それはなぜか?
ずばり、過去に被害がたくさん出ているからです!
日本は台風が毎年来ます。台風によって折版(屋根)が吹きとんでしまっては困ります。
しかし、過去には吹き飛んでしまった事例があります。
そのため、折版の構造計算は必要不可欠であるといえるのです。
重要性を理解したうえで、続いて構造計算・設計法について説明していきます。
構造計算
折版は軽い部材です。
そして屋根などに使われます。
以下のことを考えると風荷重で部材の断面が決まることが想像できると思います。
力学のモデルについては連梁・単純梁・片持ち梁が考えられます。
風荷重の算定方法はこちらをご参考ください。
折版についてはメーカーによって仕様が違うので調べる必要があります。
ここでは断面性能を下記の通り想定して設計します。
連梁の場合
風荷重の算定→
折版の断面性能→
折版が許容できる荷重→
タイトフレームの溶接強度→
許容荷重算定式
たわみ:384/3×1/300×E(2058N/m2)×I/L^3=878×I/L^3
曲げ :8/1×f(137.2N/mm2)×Z/L^2=1096×Z/L^2
単純梁の場合
折版が許容できる荷重→
許容荷重算定式
たわみ:384/5×1/300×E(2058N/m2)×I/L^3=526×I/L^3
曲げ :8/1×f(137.2N/mm2)×Z/L^2=1096×Z/L^2
片持ち梁の場合
折版が許容できる荷重→
許容荷重算定式
たわみ:8/1×1/250×E(2058N/m2)×I/L^3=65×I/L^3
曲げ :2/1×f(137.2N/mm2)×Z/L^2=274×Z/L^2
まとめ
折版の設計をするときは、力学モデルがどのようになっているか整理する必要があります。
そのうえで、たわみ・曲げモーメント・緊定部・タイトフレーム溶接部の確認が必要です。
また、メーカーによって仕様が異なるのでどのメーカーのどの種類を使用するかは確認しておく必要があります。特に接合部の強度確認は注意が必要です。