ベトナムの地震力の算定方法をわかりやすく解説!建築設計の基礎:TCVN 9386-1:2012

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はじめに

この記事では、ベトナムの建築基準 TCVN 9386-1:2012 に基づき、地震力の基本的な算定方法をわかりやすく解説します。

「この建物、地震が来ても本当に大丈夫?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?ベトナムでも、建物の安全性を確保するために、正しく地震力を算定し、適切な耐震設計を行うことが不可欠です。しかし、

地震力ってどうやって計算するの?
設計用スペクトルって何?
建物のどこにどれくらいの力がかかるの?

といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?

本記事では、ベトナムの建築基準 TCVN 9386-1:2012 に基づき、地震力の基本的な算定方法を初心者にもわかりやすく解説します。

設計用スペクトル Sd(T1) の求め方
ベースせん断力 (Fb) の計算方法
各階の水平力 (Fi) やせん断力 (Vi) の算定方法

といったポイントを実務目線で丁寧に説明するので、この記事を読めば、地震力の計算がスムーズにできるようになります!


地震力算定の全体像

ベトナムって地震がほとんどないって聞いたけど、耐震設計って必要なの?

確かに日本ほど頻繁には発生しませんが、全くないわけではありません。特に北部や中部では記録された地震もあります。だから、耐震設計は無視できないんです。

なるほど。じゃあ、ベトナムの耐震設計ってどんな基準で行われているの?

ベトナムでは TCVN 9386-1:2012 という基準に基づいて耐震設計を行います。これは、ヨーロッパの Eurocode 8 に準拠したもので、日本の建築基準法とは異なります。

へぇ! 具体的にどうやって地震力を算定するの?

簡単に説明すると、次のステップで地震力を求めます。

  1. 建物全体に作用する水平方向の力(ベースせん断力, Fb)を計算
  2. 各階に分配される水平力(Fi)を求める
  3. 各階のせん断力(Vi)を計算する

ステップ 1: ベースせん断力 (Fb) の計算

最初に、ベースせん断力 Fb を計算します。建物全体に作用する地震力の合計ですね。

Fb = Sd(T1) ⋅ m ⋅ λ

  • m:建物の総質量(基礎または剛な地下室の上部にある質量)
  • λ:補正係数(建物の高さと周期によって 0.85 または 1.0)

地震力の大きさを決める重要な数値なんだね。

各項目の説明

次に、基本振動周期 T1 を求めます。これは建物の高さや構造形式によって変わります。簡易的には以下の式で近似できます。

T1 = Ct ⋅ H^(3/4)

  • Ct:構造種別ごとの係数
  • H:建物の高さ (m)

なるほど。これで建物がどれくらいの周期で揺れるかがわかるんだね。

次に、設計用スペクトル Sd(T1) を求めます。これは地震時の地盤の揺れの影響を考慮した値で、次の式で定義されます。

設計用スペクトル Sd(T) の定義

資料の 3.2.2.5 設計スペクトル に記載されているように、水平方向の地震動に対する設計用スペクトル Sd(T) は、以下の式で定義されます。

  • 0 ≤ T ≤ TB の場合: Sd(T) = ag ⋅ S ⋅ [1 + (η ⋅ 2.5 / q – 1) ⋅ T / TB]
  • TB ≤ T ≤ TC の場合: Sd(T) = ag ⋅ S ⋅ η ⋅ 2.5 / q
  • TC ≤ T ≤ TD の場合: Sd(T) = ag ⋅ S ⋅ η ⋅ 2.5 / q ⋅ (TC / T)
  • TD ≤ T の場合: Sd(T) = ag ⋅ S ⋅ η ⋅ 2.5 / q ⋅ (TC ⋅ TD / T^2)
  • 全周期において: Sd(T) ≥ β ⋅ ag
  • ag:基盤震度(設計用加速度)
  • S:地盤係数(地盤の種類による補正)
  • η:粘性減衰係数
  • q:建物の挙動係数(塑性変形能力を考慮)

各パラメータの詳細は、TCVN 9386-1:2012 4.3.3.2.2 に記載されています。

このスペクトル値を使って、建物にどれくらいの地震力が作用するかを決めるんだね。


ステップ 2: 各階の水平力 (Fi) の分布

次に、求めた Fb を建物の各階に分配します。

Fi = Fb ⋅ (zi ⋅ mi) / ∑(zj ⋅ mj)

各項目の説明

  • Fi:i 階に作用する水平力
  • zi, zj:基礎または剛な地下室の最上部からの高さ
  • mi, mj:i階および j階の質量

なるほど! 上の階ほど地震力が大きくなるんだね。


ステップ 3: 各階のせん断力 (Vi) の計算

最後に、各階のせん断力 Vi を求めます。

Vi = ∑(Fk) (k ≥ i)

つまり、上の階の地震力をすべて合計したものが、各階のせん断力になるんだね。

その通りです! これで、建物全体の地震力が求められました。
階が下がるほどせん断力は大きくなるのが特徴です。


まとめ

地震力の算定は、建物の耐震設計における重要なプロセスです。本記事では、

  1. ベースせん断力 (Fb) の計算方法
  2. 各階に作用する水平力 (Fi) の求め方
  3. 各階のせん断力 (Vi) の計算手順

について解説しました。

次は耐風設計についても話しましょうか?


参考資料

  • TCVN 9386-1:2012 Design of structures for earthquake resistance

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