はじめに
建築設計で頻出の「BCR」と「BCP」。その違い、正確に説明できますか?一見似ている2つの鋼管ですが、実は製造方法や特性に大きな差があります。本記事では、設計初心者でも理解しやすい対話形式で、それぞれの特徴や使い分けのコツを解説。設計現場で役立つ知識をしっかり押さえましょう!
BCRとBCPって何?
BCRとBCPの違い
上司、BCRとBCPの違いについて教えていただけますか?最近、設計でこれらの用語をよく耳にするのですが、具体的な違いがよく分からなくて…。
もちろん、説明するわね。まず、BCRとBCPの正式名称を確認しましょう。
・BCR(冷間ロール成型角型鋼管): 円形の鋼管を冷間でロール成型し、角型に加工したもの。
・BCP(冷間プレス成型角型鋼管): 鋼板をプレスで折り曲げ、角型に成型したもの。
BCRの特徴
なるほど、製造方法が異なるんですね。それぞれの特徴はどう違うんでしょうか?
良い質問ね。詳しく見ていきましょう。
BCRの特徴
製造方法: 最初に円形の鋼管を作り、それを四角に成型する。
材料特性: 全体が塑性変形を受けるため、ひずみ硬化が生じ、F値(降伏点)が上昇する。
例: SS400の場合、F値が通常の235N/mm²から295N/mm²に向上し、BCR295と呼ばれる。
ひずみ硬化によって強度が増すんですね。
その通りよ。ひずみ硬化については下記が参考になると思うわ。
鉄骨の許容応力度について
準備中
BCPの特徴
BCPはどうですか。
BCPの特徴は以下のとおりよ。
BCPの特徴
製造方法: 鋼板をプレスで折り曲げて四角に成型する。
材料特性: コーナー部のみが塑性変形を受けるため、ひずみ硬化は限定的。
・F値は通常、235N/mm²または325N/mm²のシリーズが使用される。
注意点: コーナー部は塑性化しているため、溶接が不可。梁の取り付け時には特に注意が必要。
コーナー部に溶接できないとなると、設計時に考慮が必要ですね。
その通り。各材料の特性を理解して、適切に詳細を設計することが大切よ。
ありがとうございます。BCRとBCPの違いがよく分かりました。設計に活かしていきます!
頑張ってね。何かあればいつでも聞いてちょうだい。
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まとめ
BCR: 冷間ロール成型で全体が塑性変形し、ひずみ硬化により強度が向上。
BCP: 冷間プレス成型でコーナー部のみが塑性変形。コーナー部の溶接は不可。
各材料の製造方法と特性を理解し、設計時に適切に選択・使用することが重要です。