鉄骨小梁の設計では振動の検討を行う必要があります。
振動は小梁の剛性によって決まります。
合成梁としてスラブによる剛性割増率を考慮する場合もありますが、本記事では小梁のみの剛性で検討を行います。
また、振動以外の鉄骨小梁の設計は「鉄骨小梁の設計」の記事に書いておりますのでそちらを参考にして下さい。
固有振動数の算定
振動を検討するにあたって最初に振動数を求めます。
小梁の負担する荷重に対してたわみδを算定します。
単純梁の場合、固有周期Tは0.178√δより求まります。
固有振動数fは1/Tで求まります。
動たわみの算定
次に動たわみについて算定します。
本記事では二人歩行の振動について説明致します。
一人歩行の場合の加振力は、約3kgの物体を5cmの高さから落としたときの条件に近いと実験的に言われています。
二人歩行の場合は二倍の 約6kgの物体を5cmの高さから落とした場合を想定して検討を行います。
落下物重量によるたわみを算定し、動たわみを下記の設計例で示す式により求めます。
設計例
固有振動数と動たわみが求まると振動感覚図というものがあるので、そちらの図から振動が不快か問題ないか最終的に評価します。
まとめ
本記事では鉄骨小梁の振動について説明致しました。
振動は小梁の剛性により決まります。
小梁のみで検討するか、合成梁としてスラブの剛性割増率を見込んで検討するかは設計者の判断によります。
また、本記事では計算により振動を評価する方法を示しましたが、有限要素解析で振動を解析する方法もあります。
解析で検討する際は手計算で確認する必要が出てくるので本記事を参考にイメージを持つことが大切です。