地震が起こると、地盤が液状化して建物や構造物に被害をもたらす可能性があります。では、地盤液状化とは何か、どのようなリスクがあるのか、そしてどのような対策が必要なのか、わかりやすく解説します。
地盤液状化とは?
地盤が揺れることで、水分と土が混ざり、地盤が液体のように振る舞う現象です。地盤の強度が急激に低下し、建物が沈下や傾斜する恐れがあります。
リスクと影響
液状化が起こると、建物や構造物が崩壊する可能性があります。地盤が安定しなくなるため、大きな被害が予想されます。
対策と注意点
液状化のリスクを軽減するためには、適切な対策が必要です。
杭基礎や直接基礎の設計時には、液状化の可能性を考慮し、適切な支持力を確保する必要があります。
地震時の加速度レベルや判定基準を正確に把握し、液状化のリスクを最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。
杭基礎の対策
液状化の可能性がある地盤では、杭の水平力に対する検討が必要です。液状化層の水平地盤反力係数を低減し、杭の支持力を損なわないように対策を講じる必要があります。
杭の支持力については、液状化により液状化層を含んでそれ以浅の摩擦力が失われることを考慮する必要があります。
khL=βLkho/(√(yr/0.01))
pyL=αL・py
αL=βL:補正係数
kho:基準水平地盤反力係数(kN/m2)
yr:液状化を考慮した杭と地盤の相対変位(m)
α:塑性水平地盤反力の低減係数
py:砂質土の塑性水平地盤反力度
直接基礎の対策
液状化による有害な損傷や沈下を防ぐために、べた基礎や杭基礎などの基礎形式の変更や地盤改良が必要です。地盤支持力についても検討し、適切な対策を講じることが重要です。
加速度レベルと判定基準
液状化のおそれのないことが必要条件とされる告示免震構造では、液状化のリスクを正確に評価する必要があります。限界耐力計算法において、液状化のおそれがないことを確認するための基準を適切に適用することが重要です。
(1)地表面加速度 150gal に対して,以下の状態 を満足すること
a)「液状化の可能性がないこと(全層 F l >1.0 )」
(2) 地表面加速度 350gal に対して,以下のいずれかの状態 を満足すること
a)「液状化の可能性がないこと(全層 F l >1.0 )」
b)「液状化の程度が軽微な範囲でおさまること( D cy ≤ 5 cm )」
c)「液状化による危険度が低いこと(PL ≤5)」
まとめ
地盤液状化は建物や構造物にとって深刻なリスクとなり得るため、地震対策の一環としてしっかりと考慮されるべきです。安全な建物を築くために、地盤液状化のリスクと対策について正しく理解しましょう!