地震時に液状化が起こる可能性がある地盤では、地表変位と液状化の程度には密接な関係があります。以下に地表変位Dcyと液状化の程度についてまとめます。
地表変位と液状化の関係
過去の事例から、地表変位が大きいほど液状化の程度が深刻になる傾向があることが示されています。
地表変位Dcyは、繰返しせん断ひずみγcyを基に求められます。
繰返しせん断ひずみγcyは補正N値(Na)と繰返しせん断応力比τd/σ’zにより推定されます。
以下の検討方法は、液状化による地盤変位を予測する方法です。
限界耐力計算において、その適用範囲を定めるものとして350gal の地震に対して液状化の程度を判断するものです。
Dcy=Σ(γcy⋅H)
Dcy:地表変位
γcy:繰返しせん断ひずみ
H:層厚
S=Σ(εv・H)
S:残留沈下量
εv:体積ひずみ(γcyと読み替え)
液状化の程度の評価
液状化の程度を予測するためには、地表変位Dcyだけでなく、液状化指数(PL値)なども考慮する必要があります。
地盤の挙動を正確に評価し、液状化のリスクを適切に把握することが重要です。
PL=∫200(1-Fl)・w(z)dz
w(z):地表面からの深さに関する重み関数
w(z)=10-0.5z
Flについてはこちらの記事を参照してください
液状化の判定方法について知ろう!
まとめ
地表変位と液状化の関係を理解することで、地盤や基礎構造における液状化リスクを適切に評価し、必要な対策を講じることができます。地震に備えて、地盤の挙動について正確に把握しましょう。