台湾の構造設計<荷重条件って日本と違うの?>

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本記事では台湾での構造設計について紹介します。

その中でもまず最初に確認すべき荷重条件について説明します。

構造種別は鉄骨構造の建物を対象とします。

台湾での荷重条件

鋼構造の許容応力度法の設計基準(台湾)に示されている荷重条件を紹介します。

D+L
D+0.75(L±1.25W)
D+0.75(L±0.8E)
0.7D±1.25W
0.7D±0.8E

ここで疲労設計を行う際には、該当する荷重係数をすべて1.0として計算します。

D = 固定荷重
L =積載荷重
W=風荷重「建築物の耐風設計基準及び解説」の規定に基づく
E=地震荷重「耐震設計基準・建築解説」の規定に基づく(初降伏地震力増幅係数yαは1.0)

日本との類似点

 日本との類似点は下記に示す通りです。

荷重を組み合わせる場合、風力と地震力を同時に考慮する必要はありません。

日本との相違点

続いて、日本との相違点を下記に示します。

各荷重(固定荷重、積載荷重、風荷重、地震荷重)に係数がかけられることが日本との大きな相違点です。

日本の場合は積雪荷重のみ地域によって係数がかけられますが、台湾では地震荷重、風荷重などにも係数がかかっていることがわかります。

また、設計法によっても荷重の考え方が異なるようです。

本記事では許容応力度法の場合を示していますが、極限設計法では係数が異なるようです。

米国の LRFD 仕様では風荷重の係数は 1.3となるようです。

続いて地震荷重についてです。

「建築物の耐震設計基準と解説」では、鋼構造物の許容応力度を設計する場合にはyα値を1.2、鋼構造物の極限設計を設計する場合にはyα値を1.0とすることが推奨されています。

したがって、本基準ではyα を 1.0 としたときの地震力荷重を E と定義しますので、地震荷重の荷重係数は 1.0/1.2=0.8 となります。

まとめ

本記事では、台湾の荷重条件(組み合わせ)について、日本と比較しながら説明しました。

どのような荷重ケースについて検討することが必要かが分かったかと思います。

続いて気になるのが、部材の許容応力度の求め方です。

日本と同じでよいのか、荷重同様係数がかかってくるのかがポイントとなります。

許容応力度については別記事でまた、まとめたいと思います。

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