本記事では地震力の設定方法について説明します。
地震力の算定式は層せん断力の算定式に関係しています。
地上部分
層せん断力の算定式を以下に示します。
Q=Z×Rt×Ai×Co×ΣWj
Z:地域係数(建築基準法または市の条例等で定められています)
Rt:地盤と建築物の振動特性係数
軟弱地盤ほど大きく揺れることや建物の一次固有周期Tが大きいほど小さい地震力応答となること示す係数です。
T<Tc…Rt=1.0
T<2Tc…Rt=1-0.2(T/Tc-1)^2
2Tc<T…Rt=1.6Tc/T
一次固有周期T=H(0.02+0.01α) (秒)
H:建築物の高さ (m)
α:建築物の高さHのうち鉄骨構造である階の高さhの比(h/H)
Tc:地盤の固有周期
第一種地盤→Tc=0.4、第二種地盤→Tc=0.6、第三種地盤→Tc=0.8
Ai:高さ方向の分布係数(高層階ほど揺れが大きくなることを示す係数)
Ai=1+(1/√ai-ai)×2T/(1+3T)
ai=ΣWj/W
ΣWj:最上部からi層までの重量の和
W:全重量
Co:標準せん断力係数(一次設計Co=0.2、二次設計Co=1.0が一般的です)
以上が地上部分の層せん断力の算定式となります。
地下部分
地下部分の層せん断力の算定式は以下となります。
Qbi=k×Wbi+Q1
k=0.1(1-Hb/40)Z
Hb:地盤面からの深さ (m) Hbが20を超えるときは20とする
Wbi:地下の重量
Q1:1階の層せん断力
地震力と層せん断力の関係
地震力と層せん断力の関係について示します。
地震力は上階ほど大きくなり、層せん断力は下階ほど大きくなります。
関係式について下記に示しております。
まとめ
本記事では地震力の算定式について書きました。
地上部分の層せん断力と地下部分の層せん断力を説明しました。
その上で地震力と層せん断力の関係を示しました。