まず構造設計をする上で、必要なことは荷重を算定、決定することです。
本記事では、建築物を設計する上で考えなければならない荷重について説明します。
代表的な荷重を下記に示す。
・固定荷重(G)
・積載荷重(P)
・積雪荷重(S)
・風圧力(W)
・地震力(K)
その他の荷重としてはクレーン荷重、土圧、水圧などがあります。
上記に示した荷重の詳細は他の記事に書いていきたいと思います。
設計用荷重
上記で示した荷重の組合せにより設計を行います。
長期荷重:G+P(一般地域)
G+P+0.7S(多雪地域)
短期荷重:G+P+S(積雪時(全地域))
:G+P+W(暴風時(一般地域))
:G+P+W+0.35S(暴風時(多雪地域))
:G+P+K(地震時(一般地域))
:G+P+K+0.35S(地震時(多雪地域))
地域により考える荷重が異なるので、最初に地域の条件を確認する必要があります。
建築基準法や県のホームページで確認します。
市の条例等で別途に条件を定めている場合があるので注意が必要です。
短期荷重は検討する地域で最も大きい場合について検討を行います。
しかし、風圧力については架構用と外装材用があるため、外装材の検討を行うときは風圧力について検討を行う必要があります。
ちなみに外装材や二次部材(スラブや小梁)は地震力を負担しません。
また上記で示した設計用荷重は架構用であり、二次部材の断面算定時と異なります。
例えば、小梁の設計では地域に関係なく積雪荷重は1.0倍の積雪荷重で設計します。
これは、架構を検討するときは支配面積が大きく局部的に荷重が働いていても全体で見ると1.0倍ではなく低減が可能であると考えられるからです。
それに対して小梁などの二次部材は局部的に荷重が働いても支配面積が小さいため、積雪荷重の低減等は考えずに設計を行うことが一般的です。
まとめ
本記事では構造設計をする上で検討する荷重について説明しました。
長期荷重と短期荷重の二つの場合について検討を行います。
正しい荷重で設計を行わないと意味がないため、荷重の設定には注意が必要です。
一緒に設計を行っている人や上司の人に確認してから設計を進めるようにしましょう。
また、設計方法を覚えるだけでなく、なぜそのようにするのか背景もしっかり抑えておくことが構造設計をする上で重要となります。