本記事ではあと施工アンカーのせん断耐力について説明します。
あと施工アンカーとは
あと施工アンカーは、鉄筋コンクリート造の既存躯体にあらかじめ孔を空け、そこに接合するアンカー筋およびアンカー筋を埋め込む工法です。
あと施工アンカーとは名前のとおりあとから施工するアンカーのことです。
そのため、新築では使えず、建築基準法で許容応力度や材料強度が規定されていません。
「耐震改修促進法」という別の法律で設計法が示されています。
せん断耐力
下記にあと施工アンカーのせん断耐力の算定式を示します。
あと施工アンカーのせん断耐力は3つの式から算定し、その内の最小値がせん断耐力となります。
①あと施工アンカーのせん断耐力
②コンクリートの支圧強度で決まるせん断耐力
③コンクリートのコーン上破壊で決まるせん断耐力
算出例
①の あと施工アンカーのせん断耐力 は本数が増えるとせん断耐力が大きくなるが実際のせん断耐力は②、③で頭打ちになるため注意が必要です。
また、本数を増やすことでコンクリートとのへりあきが小さくなってしまうと③のコンクリートのコーン上破壊で決まるせん断耐力が小さくなるので注意が必要です。
あと施工アンカーのせん断耐力を算出するときはアンカーボルトの配置についても決定する必要があるので計算する段階で考えておくことが大切です。
まとめ
本記事ではあと施工アンカーのせん断耐力の算出方法について書きました。
あと施工アンカーは既存の建物に使用するためのものであることを忘れないで下さい。
算出式は①あと施工アンカーのせん断耐力②コンクリートの支圧強度で決まるせん断耐力③コンクリートのコーン上破壊で決まるせん断耐力の最小値で求まります。
算出する際はどの式で決まるのか把握しておく必要があります。
せん断耐力を大きくしたくても②③で決まってしまうとせん断耐力を大きくするのは難しいので注意が必要です。